「お熱が39度まであがってしまっていて…」
でも、もう18時で夜も遅くなってしまっているし、今から連れて寒い中出掛けるほうがさらに症状を悪化させるかもしれない。
こういうとき私はいつも救急センターに問い合わせします。
現在までの経過と症状を伝え、今すぐにでも病院に連れて行ったほうがいいのかを確認しました。
大阪府の救急番号は#7119
病院に連れて行ったほうがいいか・救急車を呼んだほうがいいかなど、判断に迷ったときにエリア担当の看護師さんにアドバイスをもらうことができます。
このような咳や気管支炎などの症状は夜中になるとさらに悪化することが多いので、今の時間でも病院にかかったほうがいいとのアドバイスをいただきました。
そして、近くで20時まで診察を行っている病院を紹介してもらい、そちらにギリギリでしたが駆け込みで診てもらうことができました。
診断結果は「クループ症候群」
「胸の音もきれいです」
「喉もそんなに赤くなってないですね」
え?!こんなにゼィゼィいって苦しそうなのに?と疑問に思いました。
クループ??
初めて聞く言葉だったのでよくわかりませんでした。
【クループ症候群の様々な症状】
かぜ症状から始まり、突然の吸気性呼吸困難
を起こし、泣いてもいつものように泣き声が出ず、鋭く「 ヒーヒー」という息が漏れるような音がする。
クループ症候群は、ほかにこんな症状が見られるそうです。
声ががれる(嗄声)
チアノーゼ
犬の吠える声に似た乾いた咳、もしくはオットセイの鳴くような感じの咳
【クループ症候群の原因の大部分はウィルス感染】
【6か月~6歳ごろの乳幼児に多い】
ほかの原因ウイルスにインフルエンザウイルス、アデノウイルス、RSウイルスなどもあります。
今回、娘ちゃんはウィルス性の症状であろうとのことで薬の処方とボスミン吸入というものを行ってもらい終了しました。
この日の夜はたいへんで、苦しそうで何度も目が覚めてしまい、1時間ごとに起きてしまい目が離せませんでした。
夜中の3時には39度まで熱が上がってきたので解熱剤を投入して、隣で寝かしつけを朝まで行いました。
出かけてはいませんが…
急激に症状が悪化することがありますので、呼吸困難が強かったり、咳嗽がボスミン吸入でも改善しないような場合には、入院した方が安全な場合があるそうす。
以下に各疾患の特徴
【ウイルス性クループ(喉頭気管気管支炎)】
数日前から微熱や軽微なかぜ症状があり、引き続き、嗄声、犬吠様咳嗽、吸気性喘鳴が出現します。3~4日がピークで症状は夜間に悪化する傾向があります。ボスミンという薬を吸入すると症状が改善することが多いので、病院でこの吸入を行います。貸し出し用の吸入器があるときは薬剤を処方して自宅でも吸入してもらうこともあります。30分ほどで効果が現れることが多く、効果が現れない場合には他の疾患(急性喉頭蓋炎、細菌性気管炎など)の可能性を考えることが必要です。ただし、その効果は一時的なことも多く、2~3時間後に再び症状が悪化することもありますから注意が必要です。またステロイド薬の内服や静注も有効であるといわれています。ウイルス性クループでも挿管が必要になることもあります。呼吸困難が強い場合、咳嗽が止まらない場合には、入院して治療します。
【痙性クループ】
6か月から3歳に好発します。何らかのアレルギー素因を基礎に、ウイルス感染を契機に発症することが多いようです。感染との関わりがなく発症することもあります。夜間に急に、喘鳴、犬吠様咳嗽などの症状が出現しますが、通常は数時間以内に軽快します。ボスミンの吸入やステロイドの静注が有効です。加湿や戸外の冷気などだけで症状が改善することもあります。何回も同様の発作を繰り返すことが特徴です。再発を繰り返しながら、5~6歳頃までに軽快することが多いようです。
【急性喉頭蓋炎】
2歳から6歳に好発し、先行する感冒様症状がなく急激に発症し、急に呼吸困難が増強し窒息死する危険性があります。
初期には高熱、のどの痛み、咳が出現し、12時間以内に吸気性喘鳴、ものをのみこめなくなり、よだれが多量にでます。
やがて極めて重症な呼吸困難となります。症状の急速な増悪により死に至ることもあります。
大泣きや興奮から呼吸停止を来すことがあります。患児の不安を軽減する努力が必要です。
ボスミンの吸入やステロイドの静注は効果がありません。抗生物質を投与します。呼吸状態に注意しながら、慎重に経過を見ていきます。必要ならば酸素投与や挿管を行います。
【細菌性気管炎】
1か月から6歳に好発し、高熱、吸気性喘鳴、犬吠様咳嗽がみられ、初期にはウイルス性クループと似ています。
ものをのみこむと痛がることが多いようです。症状が急速に増悪することがあり、死に至る可能性もあります。
入院治療が必要です。ボスミンの吸入やステロイドの静注は効果がありません。抗生物質を投与します。
呼吸状態に注意しながら、慎重に経過を見ていきます。必要ならば酸素投与や挿管を行います。
【ジフテリア】
現在の日本では1年間の発症は10例以下ですが、非常に重篤な疾患ですから、3種混合の予防接種が終了していない人は注意が必要です。
嗄声、犬吠様咳嗽、吸気性喘鳴などの症状からはじまり、やがて極めて強い呼吸困難が生じます。
【クループ症候群の治療基本方針】
症状や経過、血液検査、ボスミン吸入に対する反応性などを参考にこれらの疾患を区別します。呼吸困難が強そうなときやせきが止まらないときには、入院して治療を行うことが必要になります。ただし、その時には入院は1泊2日か2泊3日程度ですむことが多いです。入院後はボスミン吸入、ステロイド静注(1回のみのことが多い)、細菌感染の可能性を考慮し、抗生物質の静注を行います。
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